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天と地のあいだ −くらし綴り−


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「冬、春、そして初夏」 2009/5/10(日)

 初夏の日曜日、金沢でも最高気温が28度を超えました。犀川へおにぎり持ってお散歩に出かけて、帰りに自転車買って(中古!)、コーヒーで一服したら、また子供に急き立てられて外に遊びに出て、帰ってきたら、夕ご飯、お風呂、そしてすぐさま寝かしつけ(添い寝するのは妻ですが・・・)。子供に付き合って過ごすと、日が暮れた頃にはもう充足感で一杯。何もする気になりません。

 このページのことも、いつも気になっているのですが、毎度こんな感じで更新できずにきました。が、いつまでもそんなことは言っていられないので、金沢の2度目の春、一巡りして迎えた初めての春を忘れないうちに書き留めておこうと思います。

 冬の寒さと雪について。ここ最近北陸でも暖冬が続いていたそうですが、今年はさらに暖かかったとか。積雪は数えるほどしかありませんでしたし、3月下旬に入った頃に桜の花が開いていました。とは言え、2月、帰宅しようと思うと、自動車の窓が霜でびっしりとコーティングされているのには参りましたし、鍵穴が凍りかけていたときには慌てました。新米には穏やかな冬で助かりました。

 北陸で1年過ごして、「灼熱」を求めるような感覚はさすがになくなりましたが、相変わらず寒がりです。気候に適応するどころか、むしろ体がすっかり冷えてしまって、5月になって暖かいのに、どこか寒さを感じてしまうような状態。日照の弱い土地柄、気候の影響というより、デスクワークの増加による運動不足、不摂生が原因。これまでお日さまに助けられていたことを実感している次第です。このまま受身では適応できそうにないので、自転車を買って山の上の学校に通うことにしました。その効果については、のちのち。

 花粉症の症状が出なかったことは一番の驚き。例年3月上旬から1ヶ月以上悩まされていたのに、あれっ?あれっ?と思いつつ5月を迎えてしまいました。強いて言えばゴールデンウィーク前に頭痛、鼻水の症状が数日出たくらい(これは風邪だと思いますが、寝込むほどではなかったので自信はない・・・)。バリバリ不摂生して過ごした1年だったので、春の排毒がないと何か落ち着きません。うれしいというより、戸惑っています。冬にも子供たちが何度も風邪を引く中、何ともなかったし、体質改造のチャンスを心待ちにしています(本気で心配)。

 新学期。教員2年目の最大の変化は、卒業研究の指導が始まったこと。新任に着いてくれた勇気ある彼らによい研究をしてもらえるよう力を尽くさないといけません。ほぼゼロからスタートして研究らしいことができるようになるまで、考えることが山ほどあります。今、自分は何気なく研究者面(づら)をしていますが、研究って難しいな、とあらためて実感しています。指導者は預言者ではないので、彼らの頑張りが必要です。手綱の離しどころがポイントですねー。まあ、何とかなるでしょう。

 娘が幼稚園に通い始めました。通園の慣らし期間もなんのその、入園式翌日から「一人でお迎えバスに乗りたい」と先生に直訴。同じクラスの年中さん(縦割りクラスの幼稚園なのです)が体操教室に参加できると知ると、「私、もう4歳、青さん(年中)なの」と暇さえあれば言っています(説得のつもり?洗脳みたいですけれど)。いつも先へ進もうとしている彼女らしい始まり。年齢の壁はなかなか越えられないのだけれど、彼女ならやるかも。

 いつも先のことばかり考えている娘は、3歳にしてコマ無し自転車を乗りこなすようになってしまいました。ちょっと早すぎるようですが、彼女にとってコマ無しは通過点で、その先には一輪車に乗り、また、自転車に乗って外へお出掛けするという目標があるのです。向上心が強すぎて、ときどき話についていけません。一方で、飽きっぽかったり、手づかみでご飯を食べたり、つい最近までトイレに行くタイミングがわからなかったり、とアンバランス。「野性を失わずに育ってね」という私達の願いをそのまま実践してくれているのですが、つい「足元をしっかり固めて進もうね」と言いたくなるのも親心なのです。

 「何ヶ月ですか?」一歳を過ぎて半年たっても幼く見えるらしい弟くん。その内側では自我が着々と育っています。「あれして、これして」とキャーキャー母を追い掛け回し、自分の中の決め事はゆずらず、。口からはみ出るくらいに食事を押し込んでもりもり食べますが、繊維質の野菜はしっかり出します。いたずら好きで気まぐれな性格や好みが見えてきました。お出掛けすると車やバスに歓声を上げる、どこまでも教科書的な彼です。

 そして、お母ちゃん。私が言うのもなんですが、大成長。めまぐるしく、そしていよいよ複雑に成長していく子供たちの様子に合わせて、生活のリズム、レイアウトを細やかに変更し、さらに引越し後の整理を終わらせ(!)、毎日、私が手伝う隙もないほどに手際よく家事を進めてくれています。息子の言葉にならない要求を的確に聞き取って、気難しく短気な子供たちの心をいつも満タンに保っている様子にはいつも感心させられます。そして、我が家の子供たちと付き合って、一日声を荒げずに過ごせるなんて、とんでもなく凄いことだと思うのです。

 そんなこんなで、私自身はあまり自分に向き合うこともなく日々流れておりますが、今年は少し欲を出して好きなことに熱中する時間を増やしていけきたいと思っております。金沢のいろんな顔と触れ合うなかで、心豊かになる瞬間をたくさん見つけられたら・・・書かずにはいられないでしょう。


「目まぐるしく」 2008/12/31(水)

 十二月。冬至、クリスマスと過ぎ、無事大掃除を終えて、年が変わろうとしています。ゆず湯やおかあちゃんお手製の洋風料理、初サンタなど楽しい思い出が多々ありました。この間の息子の成長の発露がすさまじく、その対応に追われる月でもありました(主におかあちゃん)。

 誕生日を過ぎてしばらくは足元でかしゃかしゃ這い回っていた息子が、机につかまって立ち、クリスマスを過ぎた頃には横歩きでぐるぐる回って遊ぶようになっていました。ふと手を離して一歩、一歩と足を前に出し始めました。

 一段一段、着実成長のステップを上がってきているせいか、一歩、一歩と進む足取りが堅実で、安心してみていられます。大技をやってのける前の「ニカッ」という笑顔にイタズラ者の性格が見えてきます。

 何段も飛ばして立ち上がってしまった娘とは違い、まさしく教科書どおりの成長を見せる彼。寝返り、足咥え、ずり這い、ひざ立て這い這いと来て、歩き始めた今でも、律儀に高這いを見せてくれています(「うちももを鍛えているに違いない」との実体験に基づくおかあちゃんの推察)。

 しかし、いったん立ち上がってしまうと、気持ちはその先へ向かうようで、爪先立ちで棚の上に手を伸ばして、ウンウン言っております。手当たり次第に物を落とす習性を持つ彼。目の前から消えていく物がどこにあるかもよく解かっているようで、高いところへ回避してある姉の持ち物へとぐんぐん迫っています。

 姉と制空権を競う日もそう遠くなさそうです。うかうかしていられないぞ。


「大掃除」 2008/12/28(日)

ー子供との大掃除は楽しくも慌しいー


天井に とどくかリボン はたきがけ

ちりとりへ ほこりあつまれ  まいあがれ

畳拭き 見上げて笑顔 おすわりくん

おんぶにて 寝かしつけたら 拭き上手


「医王山」 2008/11/23(日)

 医王山(いおうぜん)。金沢の東の丘陵地帯に一段高く盛り上がる山塊で、最高峰は標高900メートルを超えます。霊山として古くから大切にされてきた山であることが、その名から読み取れます。(Price Kouchan's Productionに詳しい)

 金沢の南をぐるりと回る山側環状線。浅野川を東へ渡ったところにある信号は、朝、少し混み合います。車の列に並んで見上げる標識に「医王山」の文字。ここが山への入り口です。11月の下旬、医王山が何度目かの雪化粧をした2日後のことでした。

 医王ダムの奥の小川を渡り、奥新保から落ち葉の道をうねうねと上るうちに、雪が道を覆い始め、次第に轍が深くなっていきます。轍の跡の新鮮さと日差しを心の支えに進む、初めての雪道。ガードレールの凹みが、リアルです。

 道の終着点、一面真っ白の駐車場に一台の軽自動車の姿がありました。私をここまで連れてきてくれた轍はあなたのでしたか。こんな日にわざわざ自然の中に足を運ばれるのは、一体どんな方でしょうか。


 この方、自然観察員のNさんです。石を見に来たと言うと案内してくださいました。林道の雪に先客の足跡。これは熊打ちの猟師さんだそうです。道の脇から斜面へとつながる鹿の足跡も見られました。

 双眼鏡をしきりにのぞいて谷向こうの山腹を確認するNさん、観察者としての動きがただ者ではありません。視線の先にある黒瀑山から張り出した尾根は、熊のねぐらなのだそうです。岩肌が露出する切り立った斜面が人を寄せ付けず、熊にとっては天地だとか。流紋岩の地層が作り出した場所です。

 こんな近くに野生を実感できる場所があるとは。そこで自然をじっくりと見つめておられる方に出会えるとは。雪道を登ったご褒美でしょうか。

 うれしくなってのんびりしていましたが、冷たい風と共に雨が降ってきて、我に返りました。帰り道の雪に雨が混じると厄介です。逃げるように車へ戻り、あわてて山を下りてきました。これから何度かの降雪を経て、医王山は本格的に雪に覆われていきます。


「あられロール」 2008/11/20(木)

 ピカッ、ゴロゴロゴロゴロ、バラバラバラバラ。

 先日の土砂降りの雨が一段落して、アラレが降り始めました。

 翌朝、外に出ると、ホラッ、このとおり。あられロールができていました。


 少し早めの冬の訪れ。これからどんな景色が見られるか、楽しみです。


「マイフィールド」 2008/10/9(木)

 地質屋の端くれの私にも、普通の人よりは歩いたよ、と誇れる山がたった一つだけあります。


 愛媛県の赤石山系。

 稜線付近の「カンラン岩」を今年も訪れることができました。足に跳ね返ってくる岩の感触は相変わらず重々しく、そして、何とも柔らかく、不思議な安心感があります。

 カンラン岩の懐に立つ山小屋に連泊して、西へ、東へと足を伸ばしました。何度も通った岩場ですが、来る度に新たなものが見えてくるから不思議です。また、たくさんの石を拾ってしまいました。


「どこだって面白いはずだよ」 2008/9/30(火)

 以前ご紹介した、早池峰山のふもとタイマグラにあるお宿フィールドノートにふたたびお邪魔しました。

 所用で訪れた秋田から足を延ばすことにしたのです。こまちで盛岡に出て、106急行バスで宮古方面へ。。。ここまでで3時間30分。バス停まで自動車で迎えに来ていただいて、さらに30分弱。

 行程をみると「ついで」と言うには長すぎるように思えます。でも、私にとってはそうでもなく、時の流れに身を任せていると気付くとたどり着いていた。そんな感じでした。向かうべき所へ向かっている安心感に包まれていたのです。

 日が暮れた山中を進むバスの窓から見える光景に、私の記憶にある映像が次々に重なって、まるで2年前と今とがつながっていくような不思議な感覚。そして、山のお宿も、ご主人、女将さんも、そのままの空気で迎え入れて下さいました。

 今回は、何をするでもなく、ご家族の時間を一緒に過ごさせていただきました。気がつくとバスの時間が過ぎてしまうような、なんだか区切りのつけにくい時間が流れていきます。何かが自分に語りかけてくれる、その声に耳を澄まそうとしていました。

 風の気配に五感を傾けながらの畑仕事、熊の足跡(ほやほや!)を発見した驚き、くるみ拾い、縁側での昼食、おしゃべり、山の恵みを楽しみながらの散歩。皆さんの心が深く、ありとあらゆるところへ行き及んで、力強く根付いているのを感じます。

 心で土地を捕まえられるくらいに深くつながっていけたら、すべてを受け入れていけたら、豊かな世界が広がってくるのでしょう。「どこだって面白く暮らせるはずだよ」フィールドノートのご主人がふと漏らされました。

 私達にとってのその場所は? 寝台特急「日本海」を下りて始発のバスを待つ間の金沢駅前の光景が少しシャープに、立体的に見えるような気がします。そして、私を迎え入れてくれた家族の姿が、まぶしいくらいに輝いて見えたのも、朝日のせいだけではないような気がします。


「おばあちゃん心理?」 2008/8/12(火)

 8月の初旬に、松山を大阪の実家を巡る帰省の旅に出かけてきました。親たちにとっては避暑ならぬ、逢暑の旅。エアコンが用をなさない車のなかでも、「そうそう、この暑さだよねー」と流れる汗に満足。子供たちはのぼせ顔でしたが、体調を崩すことなく乗り切ってくれました。

 ところで、帰省するたびに不思議に思うのは、ばあちゃんたち。とにかくいろいろと食べさせたがるのです。娘を待っていたのは、もも、スイカ(大玉!)、ぶどう、バナナの果物。プリン、ジュースに、あわよくばアイスキャンディも、という勢い。当然、豪華な夕食には少し箸を付けただけで「ごちそうさま」です。

 自分が美味しいと感じるものを一緒に食べたい、という気持ちは分かります。それがうちでは、減農薬のおコメやおかあちゃんお手製の糠漬けなのですが、実家では「地元の名店のケーキ」となるのです。

 娘を連れ出し「内緒ね」と言ってジュースやらパウンドケーキやらを買い与えたときには、さすがに黙っておられず、「『内緒』はやめてくれ。身内の言動からそういうことを覚えるのは悲しい」と言うと、「あんたに内緒はないのか。いずれどこかで覚えることだよ」、「たった3日のことだ」、「私達のやり方を制約するのはやめてくれ」とおっしゃる。物の分かったような口ぶりですが、まるで駄々っ子です。

 それにしても、私が子供のころの親の言動を思い出すと(私達はその躾に倣いつつ子供に接しているつもりなのですが)、なぜ親の気持ちが伝わらないのか、理解できません。1年半ぶりの孫を歓待する気持ちが高まりすぎて、お祭り気分になってしまうのでしょうか。おばあちゃん(+おばちゃん)心理。謎です。


「夏、ようやく」 2008/7/7(月)

 長い間ご無沙汰してしまいました。

 7月。このところの陽気というか湿気で、周囲は半そで、半ズボンを通り越して、ノースリーブ姿もちらほら見かけます。私はというと、ここにきてようやく体がほぐれてきた感じ。でも「まだまだこれからでは?」と体のどこかが灼熱の夏に備えている気がするのです。

 娘は完全夏モードに切り替わったようで、汗を流しながら内に外にと駆け回っています。息子は寝返りでゴロゴロと動いては、お気に入りのコタツの足をとんとんたたいています。子供たちの成長はとどまることを知らず。彼らのいきおいと、そしてときおり輝く個性に感心しきりの週末でした。

 いま親たちの関心事は、娘の幼稚園選び。教育熱心な土地柄なので選択肢は豊富です。どこであっても娘はそれなりに楽しく過ごしてくれそうなのですが、選べるとなるといろいろ考えてしまうものですね。

 この個性をそのまま受け入れてくれるところは?散漫な彼女に集中力を身に付けさせてくれるところは?いやいや、元気に遊ばせてもらえたらそれでいいんじゃない?

 さてさて、そんなこんなの7月初旬。もっともっと暑くなってくれることを願って、梅雨明けを待つことといたしましょう。



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